15/09/2012

by lumi on 09/15/2012

 

昨夜は、いつもは静かな寮が騒がしかった。防音がしっかりしているこの寮でこんなに音が聴こえるなんてと不審に思い、部屋のドアを開けて廊下をのぞいてみると、凄まじい音量の音楽と人の声。どんっ、どんっと骨まで震えるような音がする。目を凝らすと、廊下の端のほうの部屋のドアが開け放されて、たくさんの人が使い捨てのカップを手にお酒らしいものを飲んでいるのが見えた。怒ることすら忘れてしばらく呆然と眺めているうち、こんなところでいったいなにやってるの、となんだかもう可笑しくなってきて、文句は言わないことにしてそっとドアを閉めた。

 

どんどん騒がしさが増してゆくので、こちらも大音量で音楽をかける。音に浸されながらなにもかも、自分が誰なのかもどうしてここにいるのかも、本当になにもかもを忘れたいと願った。このまま眠って目が覚めたら、あたらしい人間ならいい。夜のうちに大雪が降って、世界ごと真っ白になってしまえばいい。そう思ったけれど、朝になってもわたしはわたしのままだったし、まだ9月の南スウェーデンでは雪は降っていなかった。

 

昨日は、わたしの皮膚にぴったりはりついて呼吸している。こういう息苦しさの集積をいつか恋しく思うのかもしれないと、淡い期待をかけて、また今日へ向かう。

 

 

晴れていたかと思うと、雨がざあっと降ったり、へんな天気。せっかくの休日だけれどどこへも出かけず、疲れをとって机に向かうことにする。 昼過ぎにようやくベッドから出て、蒸しパンをつくって、温かいうちに食べる。

 

目の前が真っ暗でも、穏やかな今日を。やめることなら、いつでもできるのだから。

Comments are closed.