19/10/2013

by lumi on 10/19/2013

 

ロンドンでいちばん好きな場所、プリムローズ・ヒル。何十回も来ていてもう見慣れた風景だけれど、それでもここに立つたび、体中の毒がすーっと抜けていく気がする。

 

「(ここを離れるとき)節目にわたしはもう戻らない時間を束ねて、表紙に何重にも焼きついたプリムローズ・ヒルの風景を飾るにちがいない」と書いたことがあったけれど、その思いはルンドでの1年を経験したいまも変わっていない。

 

 

授業が始まって3週間が経った。1年のブランクがあるとはいえ先生もクラスメイトの一部も馴染みのメンバーなので、初週からほぼアクセル全開。イギリスの大学ってこんなだったっけか、、、としみじみする暇もないまま山のように課題を積まれ、すっかり目を回しているうちに授業が3周していた。しかも今年は妹もロンドンにいるので週末一緒に出かけたりしていて、そうすると平日にちょくちょく朝までやらないと課題が終わらないので、睡眠がもう不規則極まりない。いい歳なんだからもうちょっと体にやさしい生活を送るべきだとは思うんだけれど、まあね、うん。

 

とはいえ、スウェーデン語はまわりとの差は感じるもののルンドで悪戦苦闘した分さすがに随分よくなっていて、1年前なら確実にこなしきれなかっただろう量の課題をなんとかこなしている。フィンランド語も1年授業としては休んでいたので心配していたのだけど、文法じたいは繰り返しやっていることもあって、まずまず好調。どちらの言語もそれなりに重ねてきた成果がちゃんと見えるので、やる気は失わずにすんでいる。これからさらに忙しさが増していくであろう最終学年、この調子で繋いでいけたらいいのだけど。

 

 

 

ロンドンに戻ってきたばかりの頃は、スーパーやデパートに並ぶカボチャやおばけたちに気が早いなあと呆れたりしたものだけれど、気がつくともうハロウィンまで10日あまり。あまりの時間の流れに、このままではあっという間にクリスマスがやってくる、と怯えたりしている。日々を手を離すと飛んでいってしまう風船のように感じることもあるけれど、まあでもこの3週間を振り返ると、毎日時間をほぼ余すことなく使っているし、できることは全部やっている、のかもしれない。飛んでいってしまっているわけじゃない、たぶん、と気をとり直す。

 

なにはともあれ、普通に学校に行くだけで色んな人からお菓子がもらえるし、大学生たちの血みどろゾンビ本気仮装が見られるので(仮装といってもぜんぜん可愛くはない、奴らは本気だ)、ハロウィンは毎年楽しみです。笑。

 

 

 

ラウリーの展示が観たくて、会期ぎりぎり、テート・ブリテンへ行ってきた。作品じたいも単純にとても好みなのだけれど、なによりその一貫性にぐっときた。描く対象もまなざしも画家としての人生を通して変わらない。美しいと思う。信念のようなものが滲んでいて、ぞわぞわする。生み出すことと、続けること、どちらにもきっとわたしには想像もつかないくらいの膨大な熱量が必要だ。

 

カタログはペーパーバック版をいちど手に取って戻し、長く付き合うのだからとハードカバー版を買うことにした。掌や膝にのせてページを捲っても曲がらない、しっかりと重い表紙がうれしい。

 

 

 

BOYのMutual Friendsは今年いちばん部屋で流しているアルバムのひとつで、いつも夜にかけている。この曲はこのアコースティックバージョンがとくに好き。終わりのほうに入っているのだけど、流れてくるとつい手をとめてしまう。“Waited for your call, for the moon” “To release me from the longest afternoon”

 

寒くなってくると、アコースティックギターの音が聴きたくなります。なんでだろ。

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