14/12/2013

by lumi on 12/14/2013

 

 

 

 

 

町から町へ、ふわふわと漂う。

 

 

はじめての町ではどこかで地図をもらって、一度じっくり見ておいて、なるべく頭に入れてしまう。そうして上を向いて、歩く。遠くになにかが見えたから、そっちに向かう。坂だから、とりあえず下る。そんなことを繰り返しているうちに頭のなかの現在地と実際の自分の場所はずいぶんズレていたりもするけれど、自分がいいのだからそれでいい。

 

ちゃんとしたレストランに入ることはめったにないけれど、公園でベンチに座って食べるごはんは美味しい。贅沢してカフェで飲むコーヒーも、美味しい。スーパーマーケットや偶然見つけたスリフトショップや寂れたお土産物屋さんでまだ見ぬ何かを探すのは、いつだって楽しい。

 

安心してよそものでいるって、なんて身軽なんだろう。何にも持たなくていい、何にもしなくていい。ただ見るためだけにあるはじめての町は、いつも何とも言えず澄んでいる。

 

 

 

ポルトガルが好き、ほんとうに好き。言葉がわからない国のなかで、たぶんいちばん好きだ。

 

この瞬間の網膜を眼鏡みたいにして取っておいていつでもかけられたらいい、と思う。だけどそうもいかないから、せめて風景を、光を、いっぱいに吸い込む。5日間の、北ポルトガルでの冬休み。

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