22/01/2014

by lumi on 01/22/2014

 

好きな花が沢山マーケットに出る季節になった。ミモザ、フリージア、チューリップ、ヒヤシンス、アネモネ、ラナンキュラス、どれも好きなので目移りしてしまう。この季節の花選びは、毎年とくべつ真剣だ。

 

なかでもミモザへ憧れにも執着にも似た気持ちを抱くのは、ボナールが描いた風景を思うからだろうか。

 

 

ロンドンに戻ってきてからの一週間は、ひたすらにエッセイを書いていた。そしてそれを出した日から授業がはじまり、あっという間に一周半。気がついたら今月も後半、というか終わりに差し掛かっている。日本から持ってきた荷物を片づけ終わることができないまま、わたしの生活は静かに回る。

 

目の前のことに集中することで余計な感覚を捨てるようにして、そうして秋が終わって、冬が来た。今度は、麻痺させていた感覚を取り戻さないといけない。そうしないと行き詰まってしまうことが目に見えているからだ。斯くも面倒な自分、まずは乗りこなす体力をつけなければ。

 

 

‘Then at some point I no longer see what I’m reading. At some point there is only my voice in the living room and the light of the sunset from Sydhavnen. And then my voice isn’t even there; it’s just me and the boy. ‘

— from Peter Høeg “Miss Smilla’s Feeling for Snow” (translated from the Danish by F. David)

 

美しいと思うものは、なるだけ仕舞うんじゃなく散らかしていきたい。

 

 

今年のロンドンは、いまのところ暖冬だ。わたしが住んでいるアパートは築100年を超えているうえ(1900年代初頭の、いわゆるエドワーディアンの建物なのであります)セントラルヒーティングも入っていなくてとにかく寒いのでありがたいといえばありがたいのだけれど、なんとなく肩すかしを食らった気分というか、正直ちょっと物足りない。雪が舞う、凍える寒さのロンドンの冬に、なんだかんだ今年も来てほしいのだ。

 

 

愛してやまないこの町での冬、アコースティックギターの音と、霧に浮かぶ明かりのようなエマの声を。

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