24/01/2013

by lumi on 01/24/2013

 

1年半振りのバルセロナ。

 

誇らしげにカタルーニャの「国旗」を掲げた、植物でいっぱいのベランダをときどき見かける。

 

 

バルセロナへ来ることを決めたのは一昨日だった。唐突に4連休が降ってきて、ルンドから出たい、と航空券を探した。地中海に面したいくつかの行き先を検討して、いちばん安かったのがバルセロナへの便だった。

 

どこまでも消極的な逃避行だけど、まあいいじゃない。

 

 

 

空から見る、冬のデンマーク−スウェーデン国境は美しかった。飛行機が大きく向きを変えているあいだじゅうずっと窓にはりついて、水と雪と氷でつくられた模様を眺めていた。

 

 

前回ここに来たのは2011年の夏、妹とふたりでだった。スペインのみ10日くらいの旅行だったのだけどアンダルシアにいた日数が長かったので、バルセロナ滞在は実質1日半しかとれず、美術館とガウディ関係のところを必死に回っていたらあっという間。いまひとつ摑めないまま、わたしにとってのバルセロナはガウディ建築を擁する大都会というどこまでもステレオタイプな印象に落ち着いてしまった。

 

今回は、前回時間の都合で行けなかったところを埋め、バルセロナ像をすこしでもほぐして帰るのが目標。

 

 

 

そんなわけで、さっそく前回泣く泣くあきらめたカタルーニャ音楽堂へ。ここを設計したのはモデルニスモ建築家、リュイス・ドメネク・イ・モンタネー。バルセロナ建築学校でガウディを教え、政治家としても活躍した人。ガウディとは違って、生前すでに確固とした地位があった人。

 

一見クラシックだけれど、モザイクや彫刻、ステンドグラスなど細部をひとつひとつ見ていくと独特というか、けっこう奇抜だ。そのうえ尋常じゃない凝り方で、小さなモチーフひとつとっても何と言うかずしっと重い。モンタネーはカタルーニャの誇りになるようなものを作りたかったのだと聞いたけれど、どれほど入れ込んでいたのかは素人目にもとてもよくわかる。彼は細部のデザインもぜんぶ自分でやったらしい。

 

カタルーニャ音楽堂の建設は1908年。だけど100年以上が経った今でも、年間300回ほどもコンサートが行われているのだとか。ほんとうにバルセロナの、カタルーニャの人たちのための建物だ。

 

 

 

天井のステンドグラスは、太陽モチーフの部分が出張っていて帽子をひっくり返したみたいな変わった形(「太陽のしずく」と呼ばれているらしい)。その周りをぐるりと二重に女性たちが囲んでいる。

 

 

 

外の柱も、一本一本違う花のデザインだった。硝子にも薔薇があしらわれていてロマンチック。

 

 

バルセロナはエネルギーに溢れていて、そしてやっぱり都会だ。今はヨーロッパの大都市では高級ブランドからファストファッションまで同じ店ばかり見るけれど、昔はどうだったんだろ。たとえばZARAやH&Mが登場する前のバルセロナを見てみたいなあ、ZARAもH&Mも好きだけれど。

 

 

 

夜のバルセロナは、明かりで生まれた陰影で凄味を増す。お化けみたいな建物が並ぶ大通りをひとりで歩くのは、結構楽しいけれど、ときどき心細い。

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